セフレとは一体どんな関係?セフレを科学で紐解いてみる

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セフレの意味って考えたことがあるでしょうか?

「性行為を目的とした情緒的な感情(恋愛感情)を持たない男女の関係」

なぜ女性はセフレになりたがらないのでしょうか。

なぜ男性はセフレを欲しがるのでしょうか。

セフレという関係を科学的に紐解いていきたいと思います。

セックスフレンド(セフレ)とは

「性行為を目的とした情緒的な感情(恋愛感情)を持たない男女の関係」のことをセックスフレンド、略してセフレと呼びます。

セフレは和製英語で、海外ではFriends with Benefits(FWB、フレンドウィズベネフィッツ)直訳すると「利益のある友達」です。

セフレとはセックスありの友達?

「利益のある友達」・・・ここで真面目に考えると疑問になるのが「友達」ってなんだろうということ。

ホントの友達って・・・?

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利益のない対等の親しみある関係こそが友達・・・?

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欧米ではFriends=友達と言えばこの「利益のない対等の親しみある関係」こそが友達と言われます。

少しでも利益を含む(金持ちだからおごられたいなどの)関係は友達とは言えないのです。

だから、セフレやFWBというのは男女の関係、セックスという利益が友達にくっついている関係、「利益のある友達」だというわけですね。

セフレ達の様々な関係

セフレと一言で言っても、色々な関係性があります。

  • 恋愛に近い長時間デート、旅行デートありの恋愛セフレ
  • 短時間のディナーデート、お泊りデートありの友達セフレ
  • セックスだけを楽しむ性欲解消セフレ

どのタイプのセフレ関係も存在しますが、女性の希望によってどんな関係になるのか決まる事が多いでしょう。

男女の関係という利益とは何を指すのか

セフレ関係だと友達に利益がくっついてくる、では、その「利益」とは何でしょうか?

リチャード・ドーキンスによる「利己的な遺伝子」説が広く受け入れられている昨今、ヒトもまた遺伝子レベルで「自己の生存や繁殖成功率を他者よりも高めること」を追求するとされています。

男にとっての利益は性行為そのものだからわかりやすいですよね。

セフレ関係における女にとっての利益とはなんでしょう?

深掘りしていくととてもおもしろい真面目な研究が広がる世界に足を踏み入れていきます。

女性にとってのセフレの意義

男性にとってのセフレの意義というのは特に論じる必要も無いものですが、女性にとってのセフレの意義というのは少し理解が難しいものです。

ここでは科学的に、女性にとってのセックス、性行動、性行為を紐解いていきたいと思います。

女性にとって性行為(セックス)はとてもコストが高い

婚前や婚外の性交渉を女性はやりたがらないものですよね。

男性は適齢期の女性ならよっぽどの事がない限り誰とでもセックスできますが、女性は相手を厳しく評価し少しでもNGだと感じればセックスできないと考えます。

なぜそのように女性は男性を厳しく評価する必要があるのでしょうか?

女性は男性よりも厳しく相手を選ぶ「親の投資理論」

妊娠出産から子育てまで性交渉の結果女性が負う可能性のあるコストは男性が負うコストと比較してとても大きいものです。

妊娠期間およそ10ヶ月、手のかかる子育てをする期間は4年程度(幼稚園まで)といくら父親の子育て参加が叫ばれている今でも「女性」が産む以上実質的に大きな負担(=具体的な子育てという労働)を強いられている現実があります。また、女性は卵子を月あたり一個という頻度で作るのに対して男性は毎日精子を多数作ることができます。

それだけ子供に貴重な「投資」をしなければならない女性は、なるべく(遺伝子的にも父親としても)優れた男性と性交渉をする必要があります。逆に男性は女性ほど「投資」をする必要は無いので、なるべく多くの女性と性交渉をした方が有利です。

女性の厳しい目を勝ち抜ける一部の男性が多くの女性とセックスできて、多くの男性はほとんどセックスできない・・・という男性のモテ格差が産まれる原因はここにあります。

その後の研究で、文化や地域といった要因に関係なく女性は男性よりも性交渉の相手を慎重に選ぶ事がわかっています。

男女個々人が取る性戦略には短期と長期の2種類がある

女性の方が男性よりもセックスに慎重な傾向があると解説してきました。

では、個人個人は一体どんな考えを持ってセックスする相手を選ぶのでしょうか?

ある個人は一定の指向性を持って、短期的な戦略と長期的な戦略のいずれかをとると考えられています。

身体だけの関係や遊び(=セフレ)浮気などの関係を目指す短期配偶戦略

  • 短期的な戦略(男性):楽に簡単に手に入りやすく妊娠力の高い多くの女性
  • 短期的な戦略(女性):すぐ資源を引き出せる良質な遺伝子を持つ長期的パートナー資質のある男性

一夜限りの関係のように短期的な相手を目指す短期配偶戦略では、男性は資源を節約しながらイイ女を女性は資源を引き出しながらイイ男を求めます。

男性の短期配偶戦略だけ相手女性に良質な遺伝子を求めない(求める事が少ない)というのが面白い所で、セックスできればそれでいいという男性性の特徴をよく表わしていると思います。

結婚や真剣な恋愛などの関係を目指す長期配偶戦略

  • 長期的な戦略(男性):父性を確保でき多くの子供を生め、愛着や愛情を持ち、親としての能力が高い、良質な遺伝子を持つ女性
  • 長期的な戦略(女性):投資する余裕と意思がある、愛着や愛情を持ち、身体的に保護してくれる、親としての能力が高い、良質な遺伝子を持つ男性

結婚や彼氏彼女の関係を目指す長期配偶戦略では、男性は「自分以外が父親の子」を育てないように父性を確保でき、多くの子供を生める女性を女性は自分や子供に投資をする余裕(多くの資源)と意思を持つ男性を求めます。

長期配偶戦略では、短期配偶戦略と異なり男女共に愛着や愛情のある親としての能力が高いお相手を求めています。

同じ配偶戦略を指向する男性と女性は相性が良い

短期配偶戦略を指向する人は同じ短期配偶戦略を指向するパートナーを、長期配偶戦略を指向する人は同じ長期配偶戦略を指向するパートナーを選びやすいという傾向がある事が知られています。

当たり前と言えば当たり前に見えるかもしれませんが、もしあなたが「いつも長期的なパートナーに恵まれない」と悩んでいるのであればこの事がヒントになるかもしれませんね。

短期配偶戦略と長期配偶戦略の指向の性差

より短期的配偶行動指向な女性は「すぐに資源を引き出せる良質な遺伝子を持った男性」を求めるのに対して、より短期的配偶行動指向な男性は「楽で簡単に手に入りやすい妊娠力の高い女性」を求めるというように、男女間で異性に求めるものは異なるんです。

そして、男性はより短期的な戦略を指向し、女性はより長期的な戦略を指向する傾向にあります。

言われてみれば当たり前で、そりゃそうだってな感じはしますけどね笑

女性の性戦略は遺伝子と人間関係が決める

女性の方が性交渉に慎重な傾向があるとは言っても、個人差は男女の性差を超えるばらつきがある事がわかっています。

短期的な戦略を指向する女性の割合は男性と比較して少ないという程度のものです。

短期的な戦略を指向するか長期的な戦略を指向するかは何が決定するのでしょうか?

それは遺伝子家庭以外(親の影響外)の環境によって決まるのです。

一般的にセックスに奔放な女性は、親が離婚したり暴力的であったりと不幸な家庭環境が問題だったからだとされがちです。

確かに経済的に貧困な女性が性風俗産業で働いているように、その原因を探るとあたかも家庭環境が原因かのように見えるものですが「第三の要因」である「遺伝」を含めて見る(双生児法と呼ばれる)と事情は異なってきます。

女性の性戦略の指向性は遺伝が約45%の確率で影響するのです。

残りの約45%が家庭外の環境(学校などの人間関係、非共有環境)によって決まり、約10%が家庭環境(親の影響など、共有環境)によって決まります。

対して男性は非共有環境が約50%、共有環境と遺伝がそれぞれ約25%影響します。

男性の性戦略は女性よりも家庭環境に影響を受けやすいようです。

参考文献  Bailey, J.M., kirk, K.M,, Zhu, G,, Dunne, M.P. & Martin, N.G. (2000). Do Individual Differences in Sociosexuality Represent Genetic or Environmentally Contingent Strategies? Evidence From the Australian Twin Registry. J Pers Soc Psychol, 78, 537-545.

女性の希望に沿う事で繁殖成功確率をあげる男性達

繁殖可能な男女それぞれの割合を実効性比と呼びます。

もし女性の方が男性よりも多ければ、少ない男性をパートナーとするために女性達が競うためより男性の希望に沿う短期的な配偶戦略が広まる事になります。

しかし、日本の現状では繁殖可能な男性の方が繁殖可能な女性よりも多く女性の希望に沿う長期的な配偶戦略を取る事が有利となっています。

だからこそ、女性にとってセフレという関係=短期配偶戦略が一体どんな利益をもたらすのかを理解することはとても有益なんです。

セフレのような短期配偶戦略が女性にもたらすもの

  • 男性からすぐ資源(金、時間など)を引き出せること
  • 良質な遺伝子を持った男性と性交渉できること
  • 長期的パートナーとなる資質のある男性と性交渉できること

女性にとってのセフレの意義とはこの3つにあるということがわかります。

金や時間というのはわかりやすいですね、例えば売春や割り切りといった行為にはこの意味が含まれているでしょう。良質な遺伝子とは「知性」「体格」「性格特性」など、より多くの子孫を残せる可能性の高い男性と性交渉できる事を指します。最後に、長期的パートナー(恋人や結婚相手)となりうる男性を探せるという意義があります。

セフレなのに本気で好きになってしまう女性たちが居る事は私も体験としてよく知っています。

短期配偶戦略でも長期配偶戦略へシフトしたいと考えているのが女性特有で、男性の戦略には見られない傾向です。

セフレという関係が持つ本当の意味

「性行為を目的とした情緒的な感情(恋愛感情)を持たない男女の関係」

ただセフレと一言で言っても、その裏には多くの子孫を残したいと考える男性の思惑と、より優れた遺伝子を持つ子供を産み育てたいと考える女性の思惑が折り重なるとても複雑な人間の営みがあります。

当記事では進化心理学や行動遺伝学を基礎とする文献を読みすすめていく中で特に「セフレ」に関わりの深い議論をまとめてみました。

2009年刊行の書籍ですから、これらはあくまで基本知識と言えるでしょう。

今後は最新の研究も踏まえてヒトとセックス、セフレについて考えて行きたいと思います。

参考文献 ナンパを科学するーヒトのふたつの性戦略 坂口菊恵 2009年

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